ICOをやって見て、自分の経験から思ったことを書き出してみます。
ICOを買う方は上場後の売り抜けを狙う方と、上場後も維持してその後の値上がりを期待する人がいるわけですが、購買者の分布が上場直後の売り抜けに偏っている場合は、まずそのICOは暴落します。上場での値上がりで上場後には何倍にもなりますよという売り文句だけで購入したらまず失敗します。ICOは企業がこれから行う事業を運営していく資金を集めるためのものですから、その事業自体に魅力があって、成功する可能性が高いものでなければ、上場後の価格上昇はありえないことを胸に置いておきましょう。
その他にも、まともなものでも、いろいろ障害はありますので、これらの条件を自分がクリアーできるかどうかよく考えてみてからICOに取り組んだください。
1. 英語力が必要
まず、ICOは殆どの場合、海外のものですので、説明も英文のマニュアルが読めて、英文レターが読めて、返事のメールが書けることが必要です。
日本人が絡んできているものも、最初は日本語のマニュアルなどがあったとしても、購入した後は自分でやってくださいというものが殆ど、いや全てと言って良いです。
つまり、日本語サービスがずっとあるものとして購入したとしても、購入した後は、自分で英語のメールを読んで理解して、返答しなければならないということです。
だから、日本語マニュアルがあるものでも買わせようというところだけで、日本語のマニュアルを作っているので、買ったあとの面倒なんて見てくれないと考えておいた方が良いです。
それだけの英語を使いこなす自信がない方は、絶対に購入してはいけないと思います。
せっかく、何とか手続きして購入しても、アカウントを作り直してくれとか、KYCを作り直してくれとか、何度も言ってきたりします。
2. メールこまめにチェックできて直ちに行動できること
ICOを仮想通貨に交換してくれる機会は時間が限られていることが多いです。
うっかりメールを見落としてしまったら、もう交換できなくなったりします。
そうなったら、それまでに投資したお金がすべて無駄になります。
3. 購入時より価格が上がる保証はない。
これまでのところをクリアーしても、ICOを上場した際に価格が上がるとは限りません。
というより、殆どのものは暴落します。価格が上昇するものはごくわずかです。
みんながみんな、上場直後の価格上昇での売り抜けを考えるとしたら、売り手より買い手が多くなければ価格は上昇しないので、どう考えても価格は上がるより下がります。
4. ICO販売から上場の予定が早いものはまず暴落する可能性の方が大きい。
たくさん売るために、購買意欲を喚起するために、直ちに上場しますから、すぐに4倍になりますよーなんていうのは大嘘です。
消費者の心理としてICOで安く売っているものをなんで4倍の値段で買おうと思うかということです。
ICOからずいぶん時間がたって、そのコインを使うことに魅力が見いだせて、売り抜け以外に魅力があればまた別ですが、それを買おうとしている人の目的がICO後の売り抜けにある人が殆どと考えられる場合は、まず、上場とともに暴落します。
5.ホワイトペーパーをしっかり確認しよう
ICOを発行してプロジェクトの資金を集め、どのように事業を実現していくか今後の予定が書かれているものがホワイトペーパーです。
これがしっかりしていなければまともな事業ではありませんし、この中に書かれていることに嘘があれば明らかに詐欺案件です。
6.ICOのリスクの説明をしっかりせずにあおりまくる販売者はまともな販売者ではない
ICOはリスクがあるものです。必ず、そのリスクの説明をし、必ず儲かるものではないことを言わなければなりません。それをせずにものすごく儲かる。失敗はありえないというように過大な効果を言って盛り上げる販売者は詐欺の可能性が大きいので注意しましょう。
7.安い案件は詐欺案件が多い。
優良案件は高額で短期間に一気に少人数に販売することが多いです。
安い案件はだれでも手が出しやすい反面、詐欺案件の可能性が高いので、内容をよく調べましょう。
8.いつまでも募集している案件は上場後の価格上昇は期待できず、詐欺案件である可能性も高い。
それだけ、事業に必要なお金がなかなか集まらないからいつまでも募集しているわけで、また、ICOを売りまくって、そこで儲けようという意図も感じられます。
紹介されて案件がいつから募集されたものかネットで調べてみて、結構前から募集している場合は辞めた方が良いです。
そもそも、まともな案件でもいつまでも募集しているのは事業に必要な資金がなかなか集まらないからであり、事業自体の実現性が疑わしいです。
9. そもそも詐欺案件が多すぎる。
2017年に10万円台から上昇して200円までビットコインが上がって、2018年の1月に暴落して、その後もビットコインが下がり続けたころ、ビットコインはだめだけど、ICOはまだいけるというような、あおりで、多くのICOが販売されましたが、上場前のアフィリエイトが一番儲かったというような、上場したとたんに暴落をするのは承知でICOを売り抜けて、上場で暴落した後は雲隠れするような人は結構多かったです。
そもそも、最初から実現できない事業を嘘で塗り固めて、ICOを販売して、利益を得ていた詐欺師も結構多かったと思います。
ネットを注意してみれば、そういう詐欺案件には掛からないようにできますが、売り初め時点は分からない場合も多いです。販売者の口車に乗ることなく、本日のみの特別価格に惑わされることなく、まずネットのTwitterや、特定商取引法上の表示の会社が実在しているか、販売者が過去に販売していたもので問題を起こしていないかなどから、危なそうなものは察知できることが多いですし、迷ったら辞めるということを心がけて行けば、騙されることは少なくなると思います。
10. 特に注意すべき案件
(1)日本でしか募集していないICO案件
世界的に広く募集しているわけでなく、日本だけで募集しているようなものは、詐欺案件が多いですので、要注意です。
(2)ホームページが日本語と英語だけでなく、他の原語のページもあるか
日本語と英語だけの場合、詐欺案件の確立が大きいです。
世界的に多くの国を狙っているしっかりした案件は多言語で書かれているものが多いです。
(3)日本人アフィリエイターが数多く参加して販売しているICO案件
これは、WITHコインなんかがそうでした。
アフィリエイターがこぞって販売していましたが、アフィリエイターに良い条件を出して、広く販売したのでしょうね。
最初から、ICOの販売だけで稼ごうとしていたものと考えられます。
(4)日本人が販売者の主体となっている案件
日本人が販売の主体となっている案件でもまともなものはいくつもありますが、そもそも仮想通貨の専門家でない人が販売主体になっている場合は、怪しいです。
販売者の名前でネット検索して怪しいと思ったら辞めておいた方が良いです。
(5)販売会社の本拠地が海外である案件
実際に訴訟を提起して資金の返還を求める際に、相手が外国の法人であれば、日本の裁判所に訴えることもできません。そこを考えて、詐欺を行うものはシンガポールなどの海外の会社を装うことが多いです。
ですので、日本人が取り扱っているのに海外法人が主体である場合は、詐欺案件である可能性は高いと思います。シンガポール、香港、マカオ等に本拠地のある法人には気を付けましょう。
経営陣に日本人が全く入っていない海外案件の場合は海外の会社であっても大丈夫なケースが多いと思いますので、ネットの評判などを見ながら判断してください。
(6)条件がどんどん変わってくる案件
例えば、販売数量がどんどん変わっていくもの
最早最初の約束が守れていないので、そういう販売者の扱うものは信じられません。
(7)上場の予定日が最後のICO販売日から期間が短いもの
最後のICO販売日から上場の予定日までの期間日が短いものは、そんなに短時間でそもそも値上がりが予想できる訳もありません。
興味を持って買う人が、1月前に4分の1の価格で販売されていたものをわざわざ上場を待って4倍で買うでしょうか?
そういう案件は、上場後間違いなく、暴落しますので購入は控えた方が良いと思います。
11.まとめ
以上、ICOを購入する上で注意すべき点をまとめてみました。
ちょっとマイナーな意見が多いと思いますが、これだけのことを念頭に置きつつ、取り組むべきと思います。
ご意見等ありましたらよろしくお願いいたします。
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